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〇蠱惑の華　／　siamese (シャム)

年若く少女の容貌をしている踊り子の１人

特有の高慢さ、自信を持っている。

輝きを鏤めた宝飾、絶対の容姿は老若男女を魅了する、しかし観客は知らないのだ。

誰がために彼女のクルクルと踊るのか。

彼女は踊る、今日は来た、今日は来ないと花占いのように瞬きをして。

〇肢体遊戯　／　amethyst (アメジスト)

体技卓越の麗人。

手足の洗練された動きは人の視線でできている。

口は堅く結ばれ、声を聞くものなど居ないだろう。

物言わぬ訳でなく、動きでそれを伝え意中の相手を射落とす。

彼女は寡黙に、しかし視線は熱を帯びている。

彼の為に、と、今夜もその技は精度を増すのだ。

〇背徳の背中　／　malurus (マルルス)

柔らかな髪と肌、しなやかな腰つき、彼女は自身の武器をよく知っている。

人の心に根差す甘美な悪心は、彼女の心を満たす。

他の物であったとしても、自分へ意識向けさせるのに手段は択ばない。

なぜなら彼女は美しいからだ。彼女の目は見た者の脳裏に浮かぶだろう、甘く心に爪を立てるように。

後ろ髪を引かれるように。

〇従順な目蓋　／　glacerie(グラスリー)

とても素直でとても無防備な女というのは誰にでも好かれ、誰にでも心を御し易いと思われる。

だから彼女は純真を騙る。

身体から滲むフェロモンなど物ともせず、好意ある相手にどこまでも低頭傾首、

朝露の様な涙を浮かべ、心身共に全てを偽る。

そう、それは全て相手を虜にしたいが為。全ては相手に私を手に入れさせる為。